「ソレイユの鐘」思考プロセス編

改めまして、この度「第4回銀座中央ギャラリー公募展」の一次審査を通過いたしました。
こちらの公募展は名前の通り、銀座にある奥野ビルの銀座中央ギャラリーさんが主宰する公募展です。
テーマは自由ですが、作品サイズのみF4号という決まりがあります。

二次審査は現地会場でお一人3票の投票と作品の販売結果が集計されるそうです。
皆様に直接作品を見ていただける機会をいただき大変嬉しいです。

久しぶりの大作なので制作過程を思考プロセス編と制作メイキング編の2つに分けてご紹介していきたいと思います。
公募展の日時詳細等はこちらの記事からお読みいただけます。

出展作品の概要

エントリーNo.227

作品タイトル:「ソレイユの鐘」
作家名:Moet.K
画材技法:ミクストメディア(アキーラ絵具、刺繍、箔/シルク、木製パネル)
額装済み 作品証明書付き

ご購入の際には作品、額、専用の箱、作品証明書をセットでお渡し致します。
詳しくは銀座中央ギャラリーまでお気軽にお問い合わせください。

発想はどこからやってきたか

アートの世界では幼少期から絵をずっと描き続けていたという方によくお会いします。
好きこそものの上手なれでとても良いことだと思う反面、私自身はそういったタイプではありませんでした。
もちろん子どもの頃に絵画教室に通っていたことがベースになっていたり、一般的な人よりアートに触れる機会は多い方だったと思います。
ただ四六時中絵を描いていたわけではないことにどこか劣等感を抱いていている自分がいました。

去年会社を独立して自分で働くようになってから、並行して作家活動も以前より時間をとれるようになりました。
改めて自分のやるべきことや過去を振り返る中で、今まで取り組んできたことに知的好奇心の一貫性があることに気がつきました。

私は幼少期からずっと絵を描いていたわけではありませんが、常に何かしら制作してきたんだということを実感できた時、翼が生えたような自由な気持ちになりました。

制作は個人作業なので自分でも気がつかぬうちに固定概念に囚われることがあります。
またアートの世界では油絵、日本画、版画といった画法による縦割りの風潮があるので、自分の周りでは当たり前のことが別の界隈では全く知られていないといったことが多くあります。
他業種交流(この場合は他画法交流?)はイノベーションのために必要不可欠だと考えています。

同時に作り手は狭い世界なのだと常に自分に言い聞かせるようにしています。
ご高覧くださる方、買い手がいるからこそ、展示が成り立つということや鑑賞者側の感覚を忘れないことが自分の制作で大切なポイントになっています。

そのような気づきをベースに自分にある無意識の固定概念を打破して思いついたことを自由に形にしてみようというのが、今回の制作の出発点となっています。

作品タイトルとモチーフについて

作品タイトルの一部に「ソレイユ」とある通り、ひまわりをモチーフにしています。
「ソレイユ」という単語自体はフランス語で太陽という意味ですが、ひまわりという意味でも使われることがあります。
日本語でもひまわりのことをヒマワリソウ(日回り草)やニチリンソウ(日輪草)という太陽を連想させる言葉で呼ぶのに似ていますね。

私は人物を描く時に感情や心情が伝わってくるような表情を心がけています。
ひまわりをモチーフにしたのは、その人の内面にある大切なものが太陽のように明るく輝いている様子をテーマにしているからです。

また「太陽は万人のために輝く」ということわざがある通り、自然の恵みはどこの国や人にも平等で普遍的なものです。
それに対して不安や悩みの多い現代で暮らしていくのは大変なことですが、そのような世の中でも毎日の暮らしを大切にしている人への賛歌を広く遠くまで響き渡る鐘の音に例えてタイトルに取り入れました。

プロトタイプ

私は洋裁や編み物など手芸を趣味としていますが、特に刺繍をするのが好きです。
機会があったら刺繍作品を販売してみたいと思っていましたが、商品を作るとなると大型の作品は手間と価格的に現実的ではないのがネックでした。
そのためアクセサリーや布小物といった実用品ではなく、アートとして絵画と刺繍を融合させたものを作りたいと考えていました。

こちらは2019年に作成したビーズ刺繡のブローチで、試作品として作ったものです。
今から5年前の作品ですがモチーフも太陽と月でどこか通じるものがあるように見えませんか?

刺繍そのものは実用品に用いられることが多いので、そこから更に芸術性を高めるために試行錯誤していました。
構想からは随分間が空いてしまったもののゴールドワーク技法やリュネビル刺繡等の勉強と練習によって表現力の幅を広げることができました。

公募展ということもあって一作入魂の気持ちで取り組めたことが完成を後押ししてくれたように感じます。
以前からの構想を形にできた上、皆様に直接ご覧いただく機会をいただけたことに感謝しています。

今後について

今後も刺繍と絵画の融合をより研究していきたいと考えています。
公募展ではサイズの規定があったり、モチーフの関係でゴールドとシルバーの色味で統一したりしていましたが、他のサイズや色のシリーズも制作予定です。

また個人的に鑑賞していていいなと感じるのは風景画や動物などを描いたものが多いので、そういったモチーフにも挑戦してみたいと思います。

公募展の会期は今週日曜日までとなっていますので、会場での投票やご感想いただけたら大変嬉しいです
最新情報は各種SNSでお知らせいたしますので、気になる方はフォローよろしくお願いします。

展示会 詳細情報

「第4回銀座中央ギャラリー公募展」

展示場所:奥野ビル内ギャラリー展示
・銀座中央ギャラリー(4階411号室)
・ギャラリー 邱山居銀座 (3階315号室)
・画廊一兎庵(2階201号室)

会期: 2024年6月24日(月)~6月30日(日)
開廊時間 : 12:00 ~18:00 最終日15:00迄
2次審査投票期間:6月24日(月)~6月29日(土)12:00 ~ 18:00
※会期は30日までですが、2次審査の投票期間は29日までなのでご注意ください。

お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。
投票もしていただけたら大変嬉しいです。

よろしくお願いします。

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